【症例報告】「立っている時や歩行中に臀部(お尻)～下腿部(ふくらはぎ)にかけての痛みと痺れがあり、当整体院にご来院された女性(70代)の症状が改善するまでの経緯」
《お客様》
女性 7０代
《来院》
２０２４年１０月
●ご来院前の状態
数年前から時々腰痛があったが日常生活に支障もなかった為、あまり気にしていなかったが約２週間前から突然左の臀部(お尻)に痛みを感じるようになる。
臀部の痛みを感じ始めてから数日後、今度は大腿部(太もも)や下腿部(ふくらはぎ)にも痛みと痺れを感じるようになる。
整形外科で検査を受けたところ脊柱管狭窄症と言われ、痛み止めと湿布の処方で「様子を見てください」と言われたが、その後１週間以上経過しても一向に痛みと痺れの改善が見られなかった為、今回当整体院にご来院されました。
●初回カウンセリング・検査
お身体の状態を細かく聴き取っていくと、座っている時や寝ている時はほとんど痛みや痺れを感じないが歩行時・立位時に最も痛みが強く、１０分以上の歩行や立位が出来ないため自宅の掃除であったりスーパーでの買い物など日常生活に支障が出て困っているという状態でした。
実際に姿勢チェックや可動域テストを行ってみると
お尻からふくらはぎまでの痛みで５分以上の歩行と立位保持が出来ず、姿勢も前傾が強く体幹をまっすぐに伸ばせない状態でした。
またその他にも慢性的(30年以上)な首～肩のこりや背中の痛みなど様々な症状を訴えていることから、腰だけでなく他の箇所からの負担も大きい事が考えられる為、腰を含めた体全体のバランスも考慮しながら、まずは１日でも早く日常生活に支障を出している症状の改善を目指して施術を開始しました。
●施術内容と経過
【２回目～】
姿勢の前傾を強くしていた体幹を支える筋肉の硬結を緩和
肩甲骨の可動域の調整と背部の筋緊張の緩和
首肩の筋肉の硬結を緩和
→歩行時の臀部からふくらはぎの痛みが軽減１０→２
立位保持の痛み１０→４
上半身を真っ直ぐ伸ばせるようになった為、下半身への負担が軽減し５分以上の歩行も少し楽に行えるようになった
１０分ほどすると痺れは出てくる
肩甲骨周りや体幹の筋肉を緩めるストレッチを指導
【４回目～】
腰部周辺の筋肉の硬結を緩和
骨盤の傾きの調整
下肢の長さの違いと足関節の調整
→歩行時の臀部からふくらはぎの痛み→ほぼ消失
立位保持の痛みがさらに軽減１０→２
１０分以上歩行しても痛みなく自宅の掃除や家事が楽に行えるようになった
痺れは少し出るが気にならない時の方が多くなってきた
骨盤周りの筋肉（臀筋、ハムストリングス）を緩めるストレッチを指導
【６回目～】
股関節周辺の筋肉の硬結を緩和、可動域の調整
頸椎の歪みの調整
姿勢矯正
→歩行、立位保持共に痛みと痺れも消失
その他の日常生活の動きでも痛みや痺れは出なくなった
歩行指導と姿勢指導（重心の位置や立位、座位、歩行時の骨盤の位置について）
当初のご来院時の痛みや痺れは消失し、日常生活は問題なく過ごせるようになったが、今回の症状を引き起こす原因の一つにもなっていた３０年来の肩首の凝りや姿勢の歪みは慢性化しているので、今後痛みや痺れの症状を再発させないように引き続き定期的な施術でメンテナンスを行っていく
●まとめ・考察
今回の症例では、脊柱管狭窄症と診断された方でも、筋肉や関節機能の改善により症状が大きく緩和されたケースである。
高齢者の脊柱管狭窄症は、構造的な変化だけでなく、筋肉や神経周囲の緊張、姿勢や動作パターンの不良が症状を悪化させていることが多いため、腰だけではなく全身のバランスを見て調整することで回復の可能性が高まる事が考えられる。
特にこの方は、身体の使い方に偏りがあり（上半身の前傾姿勢）、それが腰や下半身へ負担をかけて神経症状を引き起こしていたと考えられます。下半身の症状でも上半身の状態も細かく評価し、個別に合わせた施術とセルフケア指導を行うことで、短期間での改善が見られた。
※個人の感想であり効果を保証するものではありません。
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